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自衛隊のことを調べてみたら日本の組織の強みと弱みが分かってしまった件②


俗物太郎です。

 2.自衛隊と米軍の比較

前回自衛隊の設立の経緯を説明しました。

では続いて、自衛隊の現在の立ち位置を確認するためにも、どれくらいの保持戦力を持っているのでしょうか?それを調べるため、アメリカの軍事力評価機関「Global Fire Power (GFP)」の2017年のランキングを参考にしてみたいと思います。

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自衛隊とアメリカ軍の保持戦力比較(Global Fire Power 2017を元に加工)


この表からざっくりと下記のことが言えると思います。


①日本は平和憲法を掲げているものの、世界的に見て防衛にかなりお金をかけている
(約5兆円 1ドル112円換算 2017年12月15日時点)
②アメリカ軍の防衛費はケタ外れに高い(約66兆円 日本の13倍)

 

アメリカはトランプ政権になり、アメリカファーストという保護主義に傾きかけているとはいえ、防衛費で見ると、まだまだ世界の警察たらんとするレベルを維持しているといえます。

 

ちなみにGrobal Fire Power 2017年のランキングには載っていませんが、今後軍事力を測る指標として、軍のサイバー人員数や、宇宙開発力(人工衛星の数など)、ドローン兵器数、AIの開発力なども出てくると思います。これからの戦争は、起こるかどうかは別として、人が重火器を操作してドンパチするよりは、テクノロジーを駆使し、まずはサイバー攻撃で相手の力を無力化し、その後無人兵器でピンポイントに人だけを攻撃し、建物の被害はほとんど無いというような、静かなものになっていくような気がします。

 

また、サイバー対応については、軍事面に特化している訳ではありませんが、国際電気通信連合(ITU)が発表しているGCI(Global Cybersecurity index)という指標が参考になります。この指標の2017年版で見るとアメリカは2位で、日本は11位です(ちなみに1位はシンガポール)。やはりアメリカは日本にとっていつも見上げる存在です。

 

今回、自衛隊の保持戦力のデータを見て僕が何を言いたいかというと、後の説明にも関わってくるのですが、日本を保持戦力だけでなく、広い意味でリソーセスという観点でみてみると、世界ではそこそこ上位にいるものの、十分ではないということです。
もっと端的に行ってしまうと、日本は常にリソーセス不足がつきまとっている国であるということです。

 

話は脱線しますが、各国の保持戦力を日本、アメリカ以外も注目してみると、興味深い点がいくつかあります。1つは中国の軍事力です。国力と保持戦力は関係があると言いますが、GFPによると中国の保持戦力は3位、防衛費は世界第2位です(約18兆円)。さらに保持戦力の世界第2位はロシアで、第4位はインドがランクインしています。

 

このことから、保持戦力に加え、経済力も加味して世界を俯瞰してみると、今はアメリカとロシアがかつての冷戦時代の名残で、お互い世界に強い影響力を与えていますが、近年、さらに今後の経済成長を考慮すると、いずれ中国の軍事力がロシアを上回ることは間違いありません。そして、中国に追随してインドの影響力も拡大していくでしょう。

 

つまり、中期的に見ると世界は、アメリカ、中国、ロシアの三つ巴から、インドを加えた四つ巴のパワーバランスで均衡を保っていくことになると思います。
結構話が脱線してしまいましたが、保持戦力の観点から、自衛隊の立ち位置が分かったところで、次回から本題である、組織としての自衛隊の話に入っていきたいと思います。

 

(次回へ続く)