自衛隊のことを調べてみたら日本の組織の強みと弱みが分かってしまった件①
どうも俗物太郎です。
北朝鮮のミサイル発射のニュースが世間を騒がしており、日本の安全保障についての関心が高まって来ています。また、中国の国力増加に伴い、尖閣諸島を含めたアジア周辺における軍事行動は、日本のネトウヨ勢を刺激し、そこから派生する日本全体にじわじわ拡がりつつあるプチ右傾化は、反中国感情を醸成するとともに、転じて日本スゲー論を促進する土壌を形成していると思います。
テレビ番組や、雑誌、ネットなども「本当はスゴい日本の○○」などのタイトルが踊ることが目に付くことが多くなりました。
僕自身、自衛隊について何気なくネットを見ていたところ、やはり自衛隊を話題にした日本スゲー論を目にしました。
具体的に言うと、「戦車訓練での自衛隊の命中精度に米軍が驚愕した」や「戦闘機パイロットのレベルの高さに、米軍パイロットをして二度と自衛隊のパイロットと訓練はしたくないと言わしめた」などのネタがあり、特に右寄りの自覚がない僕も、思わず日本人としてのプライドをくすぐられ、日本スゲー論の自衛隊版の魅力に片足が浸かってしまいました。
そんな自衛隊についての興味がパンプアップされた状態だったものだから、自衛隊の持つ長所を組織の観点から紹介してみたら面白いのではないかと思いました。そして、もう少し踏み込んで調べてみたところ、どうもこれはそう単純にはいかなそうだ気づきました。
どういうことかというと、ただ単純に日本スゲー論の文脈に乗っかり、今まであまり意識していなかった自衛隊の長所を紹介するだけで、記事としてこと足りるかと思っていたところ、同時に如何ともしがたい弱みも知ってしまい、そしてそれが、自衛隊だけでなく、企業など日本の組織そのものにも通底する根源的なものだと気づいてしまったからです。
そのため、自衛隊という組織の長所だけを説明してお茶を濁すわけにはいかなくなってしまいました。
ともあれ、今回のテーマは以下のような流れで進めていきたいと思います。
また、記事を区切りながら進めていきますので、気長にお付き合いください。
1.自衛隊の概要
2.自衛隊と米軍の比較
3.太平洋戦争の歴史に学ぶ
4.日本の組織の強みと弱み
5.昨今の日本経済における事例
6.今後どうしていけば良いか
1.自衛隊の概要
さて、まず自衛隊の概要から始めていきたいと思いますが、僕自身、恥ずかしいことに自衛隊が、そもそもどういう経緯で出来たのかしっかり理解していませんでした。
そんな中、まず最初に疑問として浮かぶのは、日本は太平洋戦争で米国に負け、平和憲法を作り、武力持たないことにしたのに、なぜ軍隊のような自衛隊がいるのだろう?ということです。
調べてみると1950年の朝鮮戦争を機に、GHQの指令に基づき組織された警察予備隊が前身とありました。設立の背景は、朝鮮戦争によって米軍が朝鮮に兵力を集中させる必要があり、その際、米国が日本の防衛をする余裕がなくなってしまうため、日本に自分で自国を守らせる必要があったからでした。
さらに、警察予備隊はGHQの指示に基づいているため、国会にも諮られず設立されています。
これは簡単にいうと、自衛隊の前身である警察予備隊は、敗戦国である日本が戦勝国であるアメリカの都合によって作らさせられた部隊ということです。
恐らく、この警察予備隊が、半ばなし崩し的に発足してしまったことが、日本国憲法という枠組みの中で、自衛隊の立ち位置について未だに議論がまとまらない大きな要因だと思います。
ただし、今回のテーマで自衛隊の存在の是非を問うつもりはありません。あくまで、現に存在する自衛隊という組織そのものに着目して、話を進めていきたいと思います。
次回は自衛隊の保持戦力から続けていきたいと思います。
(次回へ続く)