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深夜アニメはキモい なぜいつまでも市民権を得られないのか ⑦

俗物太郎です。

 

3.キモくないアニメとは?

 

これまで、深夜アニメがキモい理由を説明してきました。では僕が考えるキモくないアニメとはどんなものか?最近の作品と、もう少し古い作品を例に説明したいと思います。

 

まず、最近のキモくないアニメの事例として、「君の名は。」を取り上げたいと思います。

ハリウッドで実写化される予定だそうですが、日本だけでなく、海外でも公開され、話題になりました。ちなみに、興行収入は日本歴代5位の240億円です。

また、若者に支持の高いRADWIMPSの曲を主題歌に起用したことも話題になりました。君の名は。は若者を中心に多くの人に受け入れられており、キモいアニメというより、むしろイケてるアニメと言えるかもしれません。

この映画のヒットの立役者として活躍したのが、映画プロデューサーの川村元気氏です。過去に「電車男」、「モテキ」、「宇宙兄弟」など、数々の映画をプロデュースし、ヒットさせています。今、ノリに乗っている映画プロデューサーと言えます。

 

君の名は。がキモくない理由は、主題歌を含め、若者をターゲットにした統一感のある世界観であり、これは、プロデューサーの力によるところが大きいです。

 

続いて、過去の作品でキモくないアニメの事例は、お馴染みジブリ映画です。「千と千尋の神隠し」は、日本の映画の歴代興行収入の1位の座に燦然と輝いています(興行収入 308億円)。

 

これほどジブリが世間に浸透した理由として、君の名は。と同様、プロデューサーの鈴木敏夫氏の功績も大きいと思いますが、それよりも監督の宮崎駿によるものの方が大きいと僕は考えます。世界で最もポピュラーなアニメ映画の1つである、トイストーリーシリーズの監督ジョン・ラセターも、宮崎駿から大きな影響を受けています。

いまさら僕があえて宮崎駿の偉大さを説明しなくても良いでしょう。

ここで僕が言いたいことは何かと言うと、キモくないアニメにはプロデューサーの力による場合もあれば、監督の力による場合もあるということです。

では、どういう場合が監督の力によって作品がキモくなくなるのか?

それは、監督のアニメに対する思いが、「情念」ではなく、「怨念」レベルにある場合です。

別の言い方をすると、監督の個性が強すぎてキモいとか、キモくないとかいう価値観を突き抜けてしまっている場合です(情念が作品に反映されると、一部の深夜アニメのようにキモくなってしまいます)。

ちなみに宮崎駿監督の他に僕が考える、怨念を持った監督は、ガンダムの富野監督やエヴァンゲリオン庵野監督です。

ガンダムエヴァンゲリオンも 一部分を切り取ればキモい部分も確かにあります。しかし、現在の世間への浸透度を考えれば、どちらも十分に市民権を得ている作品であり、そんなことは作品の価値を毀損するレベルではなかったと言えます。

これは、監督のもつアニメに対する怨念が、世間のもつキモい or キモくないなどという、既存の価値観に勝利したということです。

 

以上、キモくないアニメの事例について説明しました。次回以降も述べていきますが、キモくないアニメにとって重要な点は以下の2つだと僕は考えます。

 

①統一した世界観を世間に対して訴求できるプロデュース力

②キモいキモくないなどの既存の価値観を突き抜ける、監督のアニメに対する情念を超えた怨念

 

次回は、アニメではありませんが、キモくないアニメに必要なものを持っている、好事例をもう1つ紹介したいと思います。

 

(次回へ続く)