意識高男と俗物太郎、ときどき苦界生(いきる)が行く

海外MBA留学したい、刃牙大好き、ちなみに嫁とはセックスレス

深夜アニメはキモい なぜいつまでも市民権を得られないのか⑥

俗物太郎です。

 

2.なぜ深夜アニメはキモいのか?

 

③声優がキモい

先回②でキモいファン(アニメプリントシャツを着た人や、可愛くないのにコスプレをしている人)が広告塔となり、深夜アニメ全体にキモいイメージを宣伝してしまっていると書きました。

 

では、声優はどうでしょうか。最初に結論を言うと、キモい作品とキモいファンと媒介者となる時にキモくなるです。

その前に昨今の声優について言及させて下さい。声優のルックスレベルはひと昔前よりもかなり上がって来ており、アイドルと変わらないような声優もいます。

これを市場原理から説明したいと思います。声優は多くの場合、声優事務所に所属しています。声優事務所は営利団体であり、声優の出演料だったり、ライブなどのイベントのチケット収入や、それに伴う物販(CD、DVD含む)で収入を得ています。そして、収入の額でいうと、おそらく、出演料よりライブの収入の方が圧倒的に大きいと思われます。

そうなると、事務所としてはライブなどのイベントで稼げそうな、ルックスの良い声優を抱えておきたいはずです。また、水樹奈々などの活躍によって、ひと昔前に比べたら、声優の認知度が上がっているはずですので、志望者も増えることによって、その中から選ばれる人のクオリティも上がります。

つまり、昨今の声優は、声優事務所の方針と、声優志望者の裾野が広がったことにより、ルックスレベルが上がっているのです。

 

それにも関わらず、声優がキモい作品とキモいファンの媒介者となる時にキモくなるということはどういうことでしょうか。

実はこれも市場原理によって説明できます。

 

作品にファンがいるということは、その作品に出演している声優のファンも必ず一定数います。ということは、声優に対する需要が産まれ、作品とファンの間に声優を介した一定の市場が形成されます。

そうなると、需要と供給の関係から、声優はファンの需要に何らかのイベント、例えばトークライブやミニライブで応えることになります。

ここまでは、良いと思いますが、では仮にあるアニメ作品のトーク&ミニライブをやった場合、その中身はどうなるでしょうか。

そもそも声優は、毎期何十本も制作されるアニメに対し、本業の声優の仕事をこなさなければならないため、出演している個々の作品について深く入り込むのは難しいという点があります。

そのため、作品についての込み入った話はできないと推察します。そうなると、作品に入れ込んでいるファンに対しては物足りないけれど、出演している声優のファンにとっては、作品が何であろうと、声優を生で観られたのだから良いという、何となくちぐはぐなイベントになってしまいます。

 

つまり、声優の存在により、キモい作品のキモいファンの需要を満たすための、言葉は悪いですが中途半端なイベントが実施されてしまうことになります。

そういった、キモいファン向の需要を満たさなければならない場合において、声優はキモい存在になるのです。

違う言い方をすると、キモい作品があり、キモいファンがいる。そして、その2者を繋ぐ媒介者である声優もキモいということです。

需要と供給の関係により、声優は上記のような媒介者の役割を担わざるを得ないというのは、そういう商売をやっている以上、仕方がない点もあります。

僕が言いたいのは、声優の存在によってキモい作品とキモいファンを繋ぐエコシステムが産み出されるということです。これは、作品が変わっても、また同じように再生産されていきます。

 

「なぜ深夜アニメはキモいのか」という初めの質問に対し、それぞれ下記3つの要因に分けて説明してきました。

①作品がキモい:一部の作品は妄想の産物になり得るため

②ファンがキモい:コスプレをする人も含めて、見た目がキモい人が広告塔となり、深夜アニメ全体に対し、キモいというイメージを世間に宣伝してしまっているため

③声優がキモい:キモい作品とキモいファンを媒介し、エコシステムを生み出しているため

 

上記をまとめると、最初に述べたように、「なぜ深夜アニメがキモいのか?」という質問に対する僕の答えは「一部の深夜アニメと、それを取り巻く特別な環境がファンによって世間へ拡がってしまったため」

 

ちなみに、上記の「それを取り巻く特別な環境」というのは、声優を媒介者とするキモい作品とキモいファンを繋ぐエコシステムのことです。

 

次回へ続く