深夜アニメはキモい なぜいつまでも市民権を得られないのか④
俗物太郎です。
⒉なぜ深夜アニメはキモいのか?
まず最初に結論を言います。なぜ深夜アニメがキモいのか?
それは「一部の深夜アニメと、それを取り巻く特別な環境がファンによって世間へ拡がってしまったため」です。どういうことかをこれから説明していきます。
まず始めに前提の確認です。
アニメは放送時間帯により、大きく2種類に分けることができます。
1つはキッズ・ファミリー向けアニメ(全日帯放送)、もう1つが深夜アニメ(深夜帯放送)です。
タイトルにもあるように、今回テーマとしてあげているのは、深夜アニメです。
では以下、深夜アニメがキモい理由を下記3つの観点で、説明したいと思います。
①作品がキモい
②ファンがキモい
③声優がキモい
上記①〜③の関係としては、まず 作品があり、それを楽しむファンがいて、作品とファンを繋ぐ媒介物として声優がいるということを表しています。これを見方を変えて◯次元という形で表してみると、作品はアニメですから2次元、ファンは人間ですから3次元、そして声優も本当なら3次元ですが、作品とファンの間にいるということで、ここでは2.5次元ということにしたいと思います。
①作品がキモい
まず最初に、2017年の秋から始まる作品('17年10月スタート)について、僕がいくつの作品キモいと感じたのか示したいと思います。
参考としたのは、アキバ系の情報サイトである「アキバ総研」です。このサイトで、2017年秋スタートの作品として紹介されていたのは53作品ありました。
そのうち、僕がキモいと感じたのは7作品ありました。当然、まだ放送前ですので、あくまでタイトルや紹介の絵を見てキモいかどうかを判断しています。
そもそも、キモいというのは主観的な判断なので、なぜキモいか説明は難しいですが、どういう観点で僕がキモいと判断したのかというと、「主要キャラクターが美少女で、かつ性的な要素を感じたかどうか」どうかです。
なかには、絵だけを見ても性的な要素が表現されていない作品も含まれますが、そこは、かつて深夜アニメにハマっていた僕自身のセンサーに基づき、独断で性的な要素がありと判断しました。
ちなみに、最近、一部のCMにおいて、視聴者から、性的な内容が含まれているため、放送をやめて欲しいというクレームが入り、放送を取りやめたりする事例がいくつか出てきています(壇蜜が出演している宮城県PR用CMなど)。僕はこういう作品について、まったく問題がないと思っています。
なぜなら、CMというのは、少なくとも広告代理店や制作会社などプロが撮影、編集しており、多少制作者の悪ノリが入っていたとしても、当然その背景には説明できる理由があり、しかるべき人達の判断を経て世に出ているからです。
ただし、こういうCMに対する一部の批判にもそれなりの理屈が存在することは理解できます。誰もが見れる公共の放送で、性的なイメージを想起させる映像は子供の教育上良くないというのは、それなりの説得力があります。
何が言いたいかというと、世間で批判されている一部の性的イメージを想起させるCMに対し、僕は別に良いと思う一方で、深夜アニメについては、同じようには看過することができません。
なぜなら、上記事例が実際の役者が演じているのに対し、アニメは創造上の産物だからです。どういうことかというと、実際の人間が演じるものは、物理的制約が付き纏いますが、アニメにはその制限がなく、現実にありえないものも表現できてしまいます。
そのため、表現の方向次第では、妄想の産物になってしまいます。何を当たり前のことを言っているんだ、と思われるかもしれませんが、物理的制約がないと、どういうことになるかを説明したいと思います。
深夜アニメ作品において、メインキャラクターが美少女である場合が多いですが、美少女であることは一体どういう意味を持つでしょうか。
一般的に、少女(または少年)をメインキャラクターに置く場合、純粋性、または、今後の成長を描くための記号的な意味があります。
では、少女を妄想の産物としてしまった場合、何が起きるでしょうか。
少女というのは、まず純粋性を持ち、かつ大人に比べて弱い存在です。考えてみましょう。美少女をメインキャラクターにした深夜アニメの場合、作者も含め、創作に関わるメンバーはおそらく男性が多いはずです。
そして、当然のことですが、男性に少女の気持ちがわかるはずがありません(もちろん想像することはできますが、あくまで男性自身のフィルターを通した少女の気持ちになってしまいます)。
すると男性が描く少女はどういう存在になるかというと、先ほど言ったように、少女は純粋で弱い存在ですから、画面の中で男性に都合よく動かされる存在になってしまいます。もっと強い言い方をすると、男性に支配される存在になるということです。そして、妄想をどんどん膨らませ、行くところまで行くと、深夜アニメにおける美少女の行き着く先は、男性の性的玩具になります。
ちなみに妄想の世界で美少女を、大人の女性に置き換えた場合どうなるでしょう。男性としては、少女に比べ、人生経験を積んでいる大人の女性は、男性の思い通りにはならない存在です。そうすると、男性側はどういう妄想を抱くかというと、少女の場合と逆に、男性側が大人の女性の性的玩具になってしまいます。
さらに、合わせ技ですが、妄想の世界ではこんなパターンもあります。大人の女性で始めはこちらの思い通りにならないのですが、ある時から立場が逆転し、男性側が大人の女性を支配するというパターンです。少し鼻息が荒くなってしまいましたが、結局、妄想を突き進めて行くと、支配か被支配の関係のどちらかが産まれます。
話が脱線してしまいましたが、アニメという表現方法で、美少女をメインキャラクターにするということは、作品の方向性と表現次第で、男性の支配欲を満たす性的玩具にしてしまうということです(ご存知の方もいると思いますが、それは同人誌という2次創作のなかで、当たり前のように表現されています)。
つまり、美少女をメインキャラクターにした、一部の深夜アニメの中には、妄想の産物になりえる作品があり、それが「①作品がキモい」という理由です。
次回は「②ファンがキモい」について説明したいと思います。