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深夜アニメはキモい なぜいつまでも市民権を得られないのか②

どうも俗物太郎です。

 

1.アニメ業界の概要

 今回のテーマに入る前に、アニメ業界の概要を説明したいと思います。

ここでは大きく2つの観点に分けて説明いたします。

(1)市場規模

(2)アニメーション制作

では、まず(1)市場規模から説明します。

2015年時点で、アニメを含む世界のコンテンツ(※1)の売上規模は約60兆円(※2)です。うちアニメの規模は約2兆円(※3)、そのうち日本のアニメの売上は約300億円(※4)です。

これはコンテンツ売上規模の0.05%に過ぎません。

ちなみに世界における日本のGDP国内総生産)の比率が5.9%(※5)ですので、日本のアニメは世界でジャパニメーションなどともてはやされることもまりますが、世界経済に占める日本の存在感に比べたら、コンテンツ市場における日本のアニメの存在は、売上ベースでみると思ったよりずっと慎ましいものということになります。

つまり、僕が日本のアニメについてあーだこーだ言ったとしても、世界のコンテンツ市場から見たら、所詮は0.05%のことです。

つぎに(2)アニメーション制作について説明します。これをもう少しブレイクダウンしたいと思います。アニメーション制作は、大きく次の3つに分けることができます。

プリプロダクション

②プロダクション

③ポストプロダクション

 では、それぞれ説明していきたいと思いますが、その前に、アニメーションの制作における主な資金調達方法について説明したいと思います。これは大きく2つあります。

■広告収入方式

製作委員会方式


■広告収入方式

「広告収入方式」は地上波放送局が広告収入を原資とした放映権料を支払い、アニメーション製作会社がアニメを製作する方式です。ちなみに、テレビアニメ番組の著作権は、アニメーション制作会社が単独で保有します。これは、90年代までの主な資金調達手法で、子供・ファミリー向けの、「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」「ONE PIECE」等が代表例です。


製作委員会方式

製作委員会方式」は、「製作委員会」(テレビ局、広告代理店、映画配給会社、ビデオ/DVDメーカー、出版社、スポンサー企業が参加)が資金を調達する方式です。90年代後半から、深夜アニメを中心とした資金調達の手法として主流になりました。

製作委員会が深夜帯の番組放送枠を買い取り、放映後の二次利用収入(DVD、商品化、ライセンス料など)で制作費を回収します。著作権は製作委員会が保有します。

ちなみに、この製作委員会方式によって資金調達が容易になり、結果多くの深夜アニメが作られるようになった(※6)一方で、クオリティの低い深夜アニメが増えたり、出資者が多数いるため、それぞれの要望を反映した結果、作品のコンセプトがぼやけてしまったりなどの弊害もあります。

では、次回にアニメーション制作の3つの過程を説明をしたいと思います。


(注)

※1.放送、ゲーム、映画、音楽、アニメ、キャラクター物販、マンガを含む

※2.経済産業省 平成26年知的財産権ワーキング・グループ等侵害対策強化事業(A.T.カーニー株式会社分析)の図表参考(1ドル109円で換算2017年8月時点)

※3.広告代理店支払いベース

※4.日本動画協会作成のアニメ産業レポート2016によると、TV局アニメ番組売上は約1,000億円。

算出方法は、民放各局およびNHKの放送事業収入にアニメの放映分数比率を乗じ、アニメ専門チャンネルの売上などを加算。

※2との差の主な理由は、NHKとアニメ専門チャンネルの売上を含むかどうか、または、アニメ放映枠の時間単価の算出方法の違いによるものと考えられる(広告代理店支払いベース or 放送事業収入×アニメ放送分数比率からの算出ベース)

※5.総務省統計局 世界の統計2017 第3章 3-1 世界の国内総生産より

※6.2015年は60,800分(アニメ産業レポート2016より。1話25分、1クール13話とすると約190作品分)