カイジゲーム 自分がブラック企業にいると思っている人はやってみよう⑯ 【反撃フェーズ#4】プランB(自衛):上司にとってヤバい奴になる 2/2
苦界 生です。
先回に続き、プランBの一例を示します。
まず、上司から仕事を振られ、一度断ったものの、会社での力関係からあなたはしぶしぶと仕事を引き受けます。ここまでは、共通するシチュエーションです。
ではこの後、何をするか、あえて極端な例を示します。
翌日からあなたは髪を真っ青に染めて出社します。
当然周囲の人は驚愕します。そして、会社のいろんな人があなたに対し、「一体どうしたんだ?」と聞いてくることでしょう。
そこであなたはが言うのは「上司の○○さんが、私が無理だと言っているのに無理やり仕事を押し付けてきたからです」ということです。会社の人には、ここで「上司のせいでやった(髪を青くした)」という情報をインプットします。
そんなやり取りがおそらく何回かあるでしょう。
そして、いよいよ仕事を押し付けてきた当の上司本人が登場します。
上司は、会社の他の人と同様、あなたに「一体どうしたんだ?」と聞いてきます。
あなたが言うべき言葉は他の人にいう言葉と大体同じですが、一言付け加えます。どう答えるか下記に示します。
「○○さん(上司)が私が無理だと言っているのに、無理やり仕事を押し付けたからです。とりあえず、明日は髪をもとに戻して出社しますが、また私ができないと言ったときに、無理やり仕事を押し付けるようなら、また同じようなことをします」
こう言うのです。
普通のサラリーマン上司ならこれ一発でやられます。今後、あなたに対し、かかわりを持つのを避けるようになっていくでしょう。
なぜなら、上司は部下の監督責任も持っています。上司の無理な仕事の要求で、部下が突然奇行に走ったとなれば、上司がしっかり部下をマネジメントできていないということになります。そのため、上司は、さらに上の上司からマイナス評価を受けてしまいます。それに、「奇行(髪を青く染めてきた)」=「上司のせい」という情報が広まることにより、その上司の周囲の人たちからの印象も悪くなります。ここは、上司は会社という組織の人間であるということを逆手にとりましょう。
上記の理由から、上司はあなたを下手に刺激することは、組織人としての上司の今後にとってマイナスになると計算し、結果、あなたに今まで以上の仕事は振られなくなるはずです。
スムーズにいけば以上のような結論になります。ただし、そう簡単にいくものではありません。おそらく上司(また、場合によってその上の上司)は、あなたに対し「じゃあお前は一体どれぐらいの負荷になっているんだ?」と聞かれると思います。
その時に役に立つのが、自分の業務と工数を明確化した情報です。すかさず出しましょう。(こういう時すぐに出せるように、上記情報を紙に書いておく or エクセルなどで作って印刷しておくとよいでしょう)
そして、自分はこれ以上の仕事はできないのだということを数字をベースに強調しましょう。 数字をベースにすることで説得力が増します。また、そうすることによる副次的な効果もあります。あなたは奇行に走っているものの、数字による説明をすることで、逆に冷静さが強調され、衝動的ではなく確信犯的にやっているということが伝わり、上司に対し、あなたのことをより脅威に感じさせることができます。
以上がプランBの一例です。
あなたは、仕事を振られなくなりますが、それと引き換えに周囲からヤバい人のレッテルを張られ、自部署では孤立していくことになるでしょう。
また、新たな仕事を振られなくなるということは、自部署において、仕事で活躍するチャンスがなくなることでもあるので、成果を出すことが非常に難しくなります。その会社で出世や昇進を考えている人にとっては、明らかにマイナスになります。当然、上司からの評価は最低になるので、上司からの後押しは期待できないでしょう。
そこは、プランAと同じく、得られる効果とリスクを 天秤にかけて実行する必要があります。要は、あなたが どれだけブラック状態から抜け出したいかという思いが重要です。
ただ、個人的に思うのは、昨今の電通における新入社員の過労による自殺にみられるように、死んでしまったら出世どころではありません。命あっての物種です。死ぬ程追い詰められているならば、プランBはありだと思います。
いろいろ心理的に抵抗があるでしょうが、そういうときは改めて、「俺はカイジゲームというゲームに参加しているだけなんだ。ブラック状態が終わればゲームも終わる」というように、マインドセットをし直しましょう。
もし、再起を図ろうとするならばカイジゲームを終わらせ、結果、ブラック状態を抜け出し、一度体制を整えてからでも遅くないはずです。時間が経てば、自分もしくは上司が異動になり、新しい環境が訪れるかもしれません。再起の図り方はそのとき考えましょう。
繰り返しますが、プランBは、あなたが今日明日を乗り切るのに精一杯で、日々精神をすり減らし、どうしようもなくなったとき、上司が組織人であることを利用し、上司にとってヤバいやつになることで自衛を図る手段です。
そして、上司にとってどうヤバく見せるかは、各人の創意工夫によります。髪を青く染める以外に、スキンヘッドにしてきてもよいと思います(その場合、髪が生えてくるまで、しばらくもとの状態に戻せませんが)。
以上で反撃フェーズについての説明を終わります。
次回でカイジゲーム自体のまとめをし、一連の投稿を締めくくりたいと思います。
次回へつづく
カイジゲーム 自分がブラック企業にいると思っている人はやってみよう⑮ 【反撃フェーズ#3】プランB(自衛):上司にとってヤバい奴になる 1/2
苦界 生です。
では今回は反撃フェーズでの下記の作戦のうち、プランBについて説明します。
<反撃フェーズで実行する作戦>
プランA:会社(経営者も含む)自体へダメージを与えるため、外部機関に頼る方法
プランB:あくまで自衛を目的とし、会社へのダメージは与えず、直属の上司のみを攻撃する方法
<プランB>
プランAでは自分が得た情報によって会社(経営者を含む)にダメージを与えることを目的としていましたが、プランAでの目的は自衛です。
もっと端的にいうと「仕事を振られないようにする」です。
ブラック状態の会社にいる人はどんどん仕事が舞い込んできて、今日明日をどう生き延びるかという切迫した状態にいる可能性が高いです。
会社と対峙するよりも、まずは自分の身を守る。そういう人はプランBを選択しましょう。
とはいえ、プランBを実行するにあたり、最低限準備する情報として、⑪の記事で紹介した、自分の業務内容と工数が必要になります。
まず、自分は一体、何にどれだけ時間がかかっているのか、この情報をいつでも出せるように準備してプランBに取り掛かります。
なぜ、自分の業務内容と工数の明確化が必要なのかは、後述しますが、簡単に言うと、自分に仕事を振る人(主に上司や小集団リーダー等)に自分の状態を知らしめるためです。
では、自分の業務内容と工数の明確化をしたら、次は何をするのか。
おそらく、プランBの内容に対しては否定的な印象を受ける方が多いと思いますが、今回の一連の投稿で何度も言うように、これはブラック状態から抜け出すことを目的とした、カイジゲームという名のゲームです。
漫画のカイジを読んだ方は分かると思いますが、多額の借金を背負わされたカイジは、一般常識など顧みず、なりふり構わず行動しています。とにかく今いる状況から抜け出すことを最優先に考えています。
前置きが長くなりましたが、プランBであなたが実行すべきことは、「上司にとってヤバい奴になる」ことです。
では、具体的な進め方を、下記のシチュエーションを示しながら説明していきます。
まず、上司から何か仕事を振られたとしましょう。そうしたときに、まずは断ります。ただし、上司は普通そんなことは許しません。あなたは、しぶしぶとその仕事を受けざるを得なくなります。
ここまでは、プランBの実行初期段階として大体共通するシチュエーションだと思いますが、これ以降は、個々人の創意工夫が試されます。
そして、あなたにとって、今後の会社生活が一変してしまいますので、実行にはそれなりの覚悟がいることを理解しておいてください。
次回へつづく
カイジゲーム 自分がブラック企業にいると思っている人はやってみよう⑭ 【反撃フェーズ#2】プランA(会社への攻撃):マスコミを使うか、ネットを使うか
苦界 生です。
反撃フェーズでとる下記の2つの作戦プランA、プランBについて説明します。
プランA:会社(経営者も含む)自体へダメージを与えるため、外部機関に頼る方法
プランB:あくまで自衛を目的とし、会社へのダメージは与えず、直属の上司のみを攻撃する方法
<プランA>
皆さんが得た情報(録音された発言、書類)をもとに、どのようにプランAを進めるか。
プランAを実行するにあたり、最初に考えるのはどうすれば会社に対するダメージを最大化できるかです。
自分の持つ情報を誰にどのように伝えたら、その情報の持つインパクトが最大化されるか、つまり情報の出し先を考えます。
具体的な情報の出し先は下記が挙げられます。
・マスメディア(新聞、雑誌)
・インターネット(SNS、Twitter、ブログ、掲示板など)
・公的機関(警察[犯罪関係のネタの場合]、労基局など)※
・弁護士※
※ただし、カイジゲームでは公的機関や弁護士への相談は対象外とします。なぜなら、公的機関や弁護士に相談することは、ブラック企業を相手にする正攻法のやり方であるため、このカイジゲームの枠組みにあえて入れる必要はないと考えるからです(あくまで一個人がブラック企業[または経営者]と対峙することを目的とします)。
現時点(2016年12月現在)では、電通のブラック体質の話題がホットなので、大手企業かつ、マスコミ・広告代理店関係の会社のネタだったら、週刊文春などの週刊誌はすぐに飛びつくと思います。
(最近だと マスコミ関係ではありませんが、「ユニクロ
会社の経営者は意外に週刊誌などの情報には敏感だったりするので、週刊誌に取り上げられれば、それなりの影響を与えられると思います。
一方、インターネットについては、新聞や週刊誌ほどの即効性のインパクトはないかもしれません。
ただし、インターネットの特徴として、一度火が付いたら、あっという間に世の中に伝播する特徴があります。
一時期、「保育園落ちた。日本死ね」というブログ記事が話題になり、国会でも取り上げられるという事態にまで発展しました。
ネットで話題になれば、ネットから従来のメディアで取り上げらるという昨今の流れもありますので、時限式の爆弾のように、いずれは会社へダメージを与えられます。
ここで、ネットでは実名を名乗るか、匿名かという選択がありますが、これは影響の伝播速度とリスクを天秤にかけて考えればよいと思います。
例えば基本的に実名で登録しているSNSのFacebookで話題に挙げるのと、匿名でブログの記事として挙げるのでは、前者のほうが(まずはお互いの知り合いの間になりますが)影響の伝播する速度は早いはずです。
ただし、知り合い(当然自分の会社の同僚もいるでしょうし、場合によって会社の上司も含まれているかもしれません)に、自分が会社に対して牙をむいていることがばれてしまうので、それがマイナスとして働く可能性は大です。
実名を使うかは、しっかりとリスクを考慮したうえで実行しましょう。
匿名でブログの記事を書く場合は、いつか火が付くまで、気長に待ちましょう。その際、Twitterを活用したり、他の有名ブロガーに対し、コメントをつけたりして、自分の記事に目を向けてもらうような工夫をしてもよいかもしれません。
上記がプランAです。
次はプランBについての説明です。
次回へ続く
カイジゲーム 自分がブラック企業にいると思っている人はやってみよう⑬ 【反撃フェーズ#1】プランA(会社への攻撃)とプランB(自衛)
苦界 生です。
いよいよ反撃フェーズに入りました。
まずはおさらいとして、調査フェーズで調べた下記の項目について問題があった場合の主なブラック要因と、仕込みフェーズでの準備物について示します。
<調査フェーズで調べた項目、主なブラック要因&仕込みフェーズでの準備物>
①業界における会社の位置づけ
ここがブラックの場合は、カイジゲーム対象外(転職を勧める)
②会社の歴史
主なブラック要因:経営者
準備物:経営者にとって不利になる情報
③組織・体制
主なブラック要因:
・仕事の負荷(肉体的、もしくは精神的)
・人(上司、小集団リーダー、先輩など)
準備物:自分の実施業務の明確化と、それぞれの工数の定量化(週○○時間など)
④金の動き(リソーセス配分、何で儲けているか等)
主なブラック要因:
・表の金の動き:自部署への予算不足、低利益の製品を開発、製造、販売
・裏の金の動き:非合法な金の使い道(「会社ぐるみ」or「属人的」)
準備物:関係者の発言(録音する)、証拠書類
さて、情報がそろったところで、どうやって会社に対して反撃していくかを書いていきたいと思います。
ただし、反撃の仕方としては、⑪の記事でも書きましたが、作戦として下記の2パターンが挙げられます。
プランA:会社(経営者も含む)自体へダメージを与えるため、外部機関に頼る方法
プランB:あくまで自衛を目的とし、会社へのダメージは与えず、直属の上司のみを攻撃する方法
それぞれについて、説明していきたいと思いますが、その前に、まず、自分の持っている情報についその性質を冷静に見極める必要があります。
情報については、前回の⑫で書きましたが、内容によってダメージを与える先が「会社」「人」のどちらかに分けられます。
例えば粉飾決算の情報だったら会社に大きなダメージを与えるものですし、一方○○課長が会社の金を使い込んだというような情報だったら、その課長がクビになるだけです。
(ただし、粉飾決算情報は特定の人にもダメージを与えることができるため、実際は「会社」「人」両方にかかる[後述])
ダメージを与える先が「会社」か「人」かによってプランA、Bどちらを実行するかも変わってきます。
ここで問われるのは、あなた自身の思いです。
つまり、ブラックである会社に対して一矢報いたいか、もしくは特定の個人に対して一矢報いたいかです。
整理すると「自分が持っている情報の性質」と「自分の思い」でマトリックスを作って。プランA、プランBを決めることができます。
下のマトリックスを見てもらうと、「粉飾決算の情報」はプランA(会社への攻撃)にもプランB(自衛)にも使えますが、「○○課長が会社の金を使い込み」というのは、プランB(自衛)しか使えません。
ちなみに、プランA、Bどちらも使えるとはどういうことかというと、粉飾決算の情報というのは、会社への攻撃材料になるのと同時に、粉飾決算に関わった関係者については、自分がその人の弱みを握ったことになるため、それを盾にその人からの自分の身を守ることができる(自衛できる)ということです。
次回でプランA,プランBの実行の仕方について説明していきます。
次回へつづく
カイジゲーム 自分がブラック企業にいると思っている人はやってみよう⑫ 【仕込みフェーズ#4】その裏の金の動きは「会社ぐるみ」か「属人的」か
苦界 生です。
仕込みフェーズの説明も今回が最後です。
調査フェーズで調べた④金の動き(リソーセスの配分、何で儲けているか等)についてはどんな情報を準備すればよいでしょうか。
調査フェーズのところで④の金の動きには表と裏があると書きました。ここで重要になるのは、裏の金の動きです。なぜなら表の金の動きを調べ、ブラックの要因を突き止めたとしても、あくまで現状を把握したに過ぎないからです。
反撃するためには武器が必要であり、その武器となるのが裏の金の動きです。つまり、会社(もしくは上位者)にとって知られたくない情報を準備するということです。
調査フェーズの#7である程度書いてしまいましたが、もう一度書くと下記のような情報です。(<リソーセス配分>と<何で儲けているか>で層別)
<リソーセス配分>
・特定の政党、もしくは政治家への政治献金の有無
・特定の会社、業者への発注(癒着など)
・社長の親族の会社に対しての資金提供
・接待関係(交際費の額など)
・高額な調度品などの購入
・芸能人を呼んだ従業員には秘密にされている役員だけの特別パーティー等
・従業員の横領関係(架空発注、出張旅費の虚偽申請など)
<何で儲けているか>
・少ない金額での下請け企業への発注(下請けいじめ、ピンハネ)
・談合、カルテルによる価格操作
・非合法ビジネスの実施
・地上げ、土地ころがし
・脱税(不正会計など)
・偽装による割高販売(材料、生産地など)
・不法入国者による低賃金労働
ちなみに、上記のような情報を得るための方法についても、#7で書きましたので、下記に示します。
<情報取得方法>
・関係者を見つけだし、仲良くなり、飲み会などで酒が入った状態で聞き出す(会話は録音する)
・関係者のデスクから書類を探し当て、コピーする(残業などして自分一人がオフィスにいるときに実行)
また、上記の金の動きの情報(<リソーセス配分>と<何で儲けているか>)については、以降の反撃フェーズでターゲットを「会社」に絞るか「人」に絞るか分類できます。
どういうことかというと、例えば、上記の情報で「黒社会への資金提供(マネーロンダリング等)」という情報をつかんだ時に、それが「会社ぐるみ」で行われているのか、「属人的」に行われているかのどちらかによって、反撃するターゲットが変わってくるということです。
「会社ぐるみ」で黒社会へ資金提供を行っているならば、それが世間に知れ渡った場合にダメージを受けるのは会社で、一方、ある部署の課長1人が資金提供を行っているならば、ダメージを受けるのはその課長個人だということです(逆に会社へのダメージは少ない)。
後々、自分がつかんだ情報は「会社」or「人」どちらにダメージを与えるのかは意識しておきましょう。
以降、反撃フェーズについて書いていきます。
次回へつづく
カイジゲーム 自分がブラック企業にいると思っている人はやってみよう⑪ 【仕込みフェーズ#3】 自分の業務内容と工数を明確にし、定量化せよ
前回、③組織・体制の問題によってブラック状況が起きる要因は下記の2つに集約されると述べました。
・仕事の負荷(肉体的、もしくは精神的)の問題
・人(上司、小集団リーダー、先輩など)の問題
そして、上記への対応として、内部から進める方法と外部から進める方法の2つがあり、内部から正攻法で上司、そしてそのまた上司へ進言していくのは非常に時間がかかると述べました。
では、どのように対応するか。
ここで普通の意識高い系ブログや、ライフハック系のブログだと、まず、ブラック状況を生み出してしまっている上記の要因(仕事の負荷の問題と人の問題)を自分のスキルを上げることで対応しようとします。
もう少し詳しくいうと、仕事の負荷の問題だったら、まずはなんにせよ業務効率化のためのスキルアップ(スケジュール管理スキルアップ、エクセル技術アップ、書類のまとめ方技術アップ)、人の問題だったら、コミュニケーションスキルのアップ(方連相のスキルアップ、雑談力アップ)を勧め、書店のビジネス書コーナーへ足を運ばせようとします。
しかし、カイジゲームでは自分のスキルを上げて対応するということはしません。
(もちろん、自分のスキルを上げて、業務負荷を下げたり、いやな上司に対応できるようにすることは大切です)
ではどうするか。
ここは会社に対してどれだけダメージを与えるかでプランAとプランBに分けたいと思います。
プランA:会社自体へダメージを与えるため、外部機関(お上など)に頼る方法
プランB:あくまで自衛を目的とし、会社へのダメージは与えず、直属の上司のみを攻撃する方法
ではそれぞれ何をするかですが、どちらのプランを取るにせよ、今の自分の業務とその負荷を人に説明できるように、やっている業務をそれぞれ項目として挙げ、工数を定量化しておく準備が必要になります。
もちろん、忘れてはならないのは、その工数を合計すると負荷がパンクするように数字のつじつまを合わせておく必要があります。
(嘘をつくのではなく、あくまで自分の業務がパンクしていることを定量的に説明できるようにするため)
例えば、
①C社向け社内システム作成業務 30時間/週
②D社向けの製品プレゼン資料作成 40時間/週
③E社向け製品の品質向上対策立案 50時間/週などです。
上記を足すと1週間の定時仕事時間の40時間(8時間×5日)に対し、120時間となり、80時間のオーバーとなります。
組織・体制に問題がある場合の仕込みフェーズで実行することはこれだけで十分です。
(プランA、プランBで何をするかの説明は反撃フェーズで説明予定)
次回へつづく
カイジゲーム 自分がブラック企業にいると思っている人はやってみよう⑩ 【仕込みフェーズ#2】組織・体制の問題はつまるところ、バランスを欠いた人の配置や、上司として適性のない人物が上についてしまうこと
苦界 生(いきる)です。
調査フェーズで調べた項目の下記③組織・体制にブラック要因があった場合、会社と対峙するためにどんな準備をすればよいかを書きたいと思います。
③組織・体制での調査項目
組織図上おかしなところがないか?(複数の機能[営業・開発など]を兼務など)
自部署の体制がおかしくないか?(チームリーダーのような間に入って指導する人がいないなど)
変な人がいないか?(育ててあげたい厨など)
皆さんにとって一番身近に潜むブラックの萌芽はこの③組織・体制にあるのではないでしょうか。ここでのブラック要因は、つまるところ下記の2つに絞られると思います。
・仕事の負荷(肉体的、もしくは精神的)の問題
・人(上司、小集団リーダー、先輩など)の問題
結局、バランスを欠いた人の配置や、上司として適性のない人物が上についてしまうことが、自分と関係してきたとき、ブラック状態が開花するのだと思います。
では、そうなったとき、どのような準備をすればよいのか。
適正な仕事の負荷になっていなかったり、不適格な人を上司に据えてしまったことは、どちらも会社側の責任です(ここで、自分にも責任はあるのではないかという考えはカイジゲームではいったん捨てましょう)。
そこで、会社側に責任があるということを認めさせるにはどうすればよいか。
これに関しては内部から進める方法と、外部の力を使う2つの方法があります。
内部から進める方法とは、自部署の組織・体制を決めた人、具体的に言うと本部長(役員)、もしくは部長に責任を取ってもらう方法です。
外部の力を使う方法は、昨今の電通への労働局の立入りのように、お上(国)の力を使う方法です。
しかし、どちらの方法も実行のハードルは高いです。
例えば内部から進める方法を正攻法で行う場合、部長までの相談でよいのか、もしくは間にどれだけ上司がいるかで変わってきますが、下記のステップになります。
Step1.直属の上司に相談
Step2.直属の上司が、その上の上司(次長など)に相談
Step3.その上の上司が部長へ相談
Step4.部長が本部長へ相談
最大で4つのStepがあり、かつ上司としてはこのような案件は、面倒くさい案件であるので、途中でなんとかつぶせないかと考えるはずです。
予想される質問として、「君の業務のやり方に問題があるんじゃないの?だって他の人たちはちゃんとやれてるじゃん?」というようなものです。
そうなってくると、直属の上司を説得するため、自分の負荷状況のみならず、他の人の負荷状況も把握し、皆でスクラムを組み、直属の上司の説得に当たらなければなりません。
そしてようやく直属の上司を説得したとしても、同じように次長から直属の上司へ「君のマネジメントが悪いんじゃない?だって他のグループはちゃんとやれてるじゃん?」という質問になり、今度は直属の上司が他のグループの負荷状況を把握し、グループ連携で次長の説得に当たらなければなりません。
このように、内部において、正攻法で上まで問題を上げていくと、非常に時間と労力を消費することになります。
というか、もし本当に部署として負荷がまずい状況になった場合、普通の組織だとしたら、実際に組織としての対策が実行されます。
問題は組織の認識と自分の認識があっていない場合です。
次回へ続く